FAQ:Carbon Offset サービス全般
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FAQ:Carbon Offset サービス全般

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🔖 目次

カーボンクレジットについて

カーボンクレジットとは?

再生可能エネルギーや省エネ機器の導入、森林保護といった、温室効果ガス由来の排出量を削減するべく行われる活動によって得られた効果を、一定の基準により認証・定量化し、売買が可能な形にしたものを、カーボンクレジットと言います。

カーボンクレジットはどう発行されるか?

任意の活動(プロジェクト)によって温室効果ガスの排出量が削減された際、このプロジェクトの削減実績に対しクレジットの認証団体がそれぞれの基準に基きモニタリング・レポート・検証を行います

検証の結果、正当と認められた(認証された)削減量は、その認証団体にの帳簿(=レジストリ)に記録され、この記録された削減量がクレジットとして取引可能になります

クレジットが販売され、購入者の排出量削減の実績の一部に組み込まれると、その分のクレジットはレジストリで償却(Retirement)されます。 償却されたクレジットを第三者が再利用することはできません。

現在、多くの機関がそれぞれの認証基準を提案・運用しており、排出量削減効果をもたらす具体的なプロジェクトも非常に多様となっています。 また、排出量の削減ではなく、大気中からのCO2吸収量をもとにクレジットが発行される認証基準などもございます。

カーボンクレジットの市場感

世界銀行の2022年5月の発表(リンク有)によると、2021年の世界のカーボンクレジット発行残高は、前年比48%増の4億7,800万トンでした。 うち、民間によるボランタリーカーボンクレジットが前年比88%増の3億5,200万トンとなり、全体の74%を占めております。 国・地域による発行は全体の15%、国連などの国際機関は同11%でした。

ボランタリークレジットの市場規模は、2021年11月時点で10億ドル、2022年5月時点では14億ドルに達したとされています。 脱炭素化の目標設定を行う企業の増加により、市場が拡大しています。

Bloomberg NEFの2022年2月(リンク有)の記事では、排出量削減の多い企業300社のうち半数以上が、排出量削減のためにカーボンクレジットを活用しているとの調査結果を明らかにしています。 また、クレジットの価格は、2031年には1トン当たり207ドルに到達する可能性があるとされています。

カーボンクレジットの種類

現時点でのカーボンクレジットを創出するプロジェクトの典型的な例は下の通りです。 ※区分は厳格なものではなく、市場の拡大などに伴い今後変更になる可能性があります。

CO排出の削減・回避によるもの

自然現象に基づくもの
  • 森林保護(REDD+など)
科学技術に基づくもの
  • 省エネ機器の利用促進
  • 再生可能エネルギーの導入推進
  • 燃料転換 (バイオマス燃料などの活用)

大気中のCO2の回収・固定によるもの

自然現象に基づくもの

・植林

科学技術に基づくもの
  • DAC (Direct Air Capture) ※空気中のCO2を科学技術により吸収し固定するもの
  • BECCS (Bioenergy with Carbon Capture and Storage) ※バイオマス発電と燃焼後のCO2回収・固定を組み合わせたもの
  • バイオ炭:もみがらなどの廃棄物を焼却処分せず、処理して土壌改質剤などとして利用するもの

他のオフセット証書との違い

カーボンクレジットは、CO2排出量の削減効果を定量化したものです。

一方、エネルギーが再生可能エネルギーに由来していることを示す「証書」も存在しており、日本国内には「グリーン電力証書」や「非化石証書」と呼ばれる証書がございます。

企業・団体は、自分が購入・使用している電力の発電過程で生じたCO2に関し、これら証書を適用することで、その部分の電力は実質再生可能エネルギーにより供給されたものとして扱うことが可能となります。

カーボンクレジット特有の情報項目
  • 認証基準
  • 温室効果ガスの排出削減量または吸収量を定量化しクレジットとして認証する際、どの認証基準に基づいているかを示します。

    e-dash Carbon Offsetで取り扱っているクレジットの認証基準についてはこちらをご参照ください。

  • Vintage Year
  • クレジットの発行年度を指します。

    該当するクレジットが、何年に実現されたCO2排出量の削減効果かを指します。

ボランタリークレジットについて

ボランタリークレジットとは?

クレジットには、国連・政府が主導し運営するものと、民間セクターが主導し運営する制度があります。

後者の民間セクター主導のクレジットを「ボランタリークレジット」と呼び、規制や政策に関わらず民間セクターによって自主的にクレジットの発行や活用が行われます。

クレジットの種類
クレジットの種類
ボランタリークレジットの認証基準

代表的なボランタリークレジットの認証基準として、以下があります。e-dash Carbon Offsetでは、それぞれについて取り扱いがあります。

  • Verified Carbon Standard(VCS)
  • 持続可能な開発のための世界経済人会議(WBSD)、国際排出量取引協会(IETA)、気候グループ(The Climate Group)の3団体が2005年に設立した認証基準。現在はアメリカの民間団体Verraが開発・管理を行っており、世界で最も取引量が多いボランタリークレジットです。

    VCSのプロジェクトは多岐にわたり、森林や湿地の保全をはじめ11種類の創出方法が現在あります。

  • Gold Standard (GS)
  • 2003年に世界自然保護基金(WWF)などの国際環境NGOが設立した認証基準。

  • American Carbon Registry(ACR)
  • 1996年にNPO法人Winrock Internationalが設立した世界初の民間クレジット認証基準。

    アメリカ・カリフォルニア州の公的規制でも適用が可能です。

  • Climate Action Reserve(CAR)
  • 2001年に創設されたCalifornia Climate Action Registry(約300の企業や自治体、政府機関、NGOが参加)を起源に持つ認証基準。

  • California Air Resources Board(CARB)
  • アメリカ・カリフォルニア州の二酸化炭素排出量規制に基づくクレジット(※公的クレジット)。

  • Puro Standard (Puro)
  • 2021年にNasdaqが買収したPuro.earthが運営する認証基準で、大気中からの炭素除去に由来するクレジット(CO2除去証書CORC)を発行。

ボランタリークレジットを活用するメリット
  • 法的拘束力がなく、自由が効きやすい 国連・政府主導のクレジット種類はいずれも制度の拘束力が強い一方で、ボランタリークレジットは民間セクターが主導するため、政策的な制約がなく、迅速に仕組みが構築されるなど自由が効きやすい特徴があります。
  • クレジット発行の対象となる事業活動・技術が多い 国連・政府主導のクレジットと比べ、ボランタリークレジットで認められるプロジェクトの種類は多岐にわたります。これによりボランタリークレジットの創出量・流通量が年々増加しており、自社の脱炭素戦略やストーリーに合わせて自由度の高い購入が可能です。
ボランタリークレジットの品質基準

ボランタリークレジットではそれぞれの認証基準に基づいて、クレジットの発行元となる企業・団体・プロジェクトの排出量の削減内容が検証され、保証されています。

各ボランタリークレジット基準のベストプラクティスを共有し、業界全体の底上げを目指すICROA(ボランタリークレジットの信頼性評価を行う国際NGO)が提示する品質基準は以下の通りです:

Real:実際に行われていること
全ての排出削減・炭素吸収・炭素除去活動は、真に行われたことが証明されなければならない。
Measurable:測定可能性
全ての排出削減・炭素吸収・炭素除去は、信頼できる排出ベースラインに対して、認められた測定ツールを使用して定量化されなければならない。
Permanent:永続性
• カーボン・クレジットは、恒久的な排出削減と炭素吸収・炭素除去を表すものでなければならない。 • プロジェクトに可逆性リスクがある場合、少なくとも、リスクを最小限に抑えるための適切な保護手段を講じ、反転(漏洩)が発生した場合に備えた保証メカニズムを導入する必要がある。 • なお、国際的に認められている永続性基準年数は 100 年間である。
Additional:追加性
• プロジェクトベースの排出削減・炭素吸収・炭素除去は、そのプロジェクトが実施されなかった場合に発生したであろう追加的なものでなければならない。 • カーボンファイナンスが利用できなければプロジェクトは行われなかったことを実証しなければならない。
Independently verified:独立した検証
全ての排出削減・炭素吸収・炭素除去は、認定された独立した第三者検証者によって検証されなければならない。
Unique:唯一無二で、二重カウントされていないこと
• 排出削減・炭素吸収・炭素除去換算量 1 トンは、1トン分のカーボン・クレジットを生み出す必要がある。 • カーボン・クレジットは、独立したレジストリーで管理され、無効化・償却されなければならない。

💡出典:経済産業省「カーボン・クレジット・レポートの概要」(2022年6月)

ボランタリークレジットを活用する際の注意点

あくまでも民間セクター主導の自主的取引であるため、現時点では、政府が設定する排出量削減に関する規制類にボランタリークレジットが適用できないケースもあります。

⚠️
国や自治体向けの報告書を作成する際は、ボランタリークレジットでのオフセットの適用の可否をご確認ください。

ただし、アメリカのカリフォルニア州の排出規制のように、民間主導のボランタリークレジットを政府系の公的規制に取り入れた例もあります(VCS、ACR、CARが適用可能)。他の地域においても今後同様の流れは進むものと予想されます。

その他のカーボンクレジット/証書について

J-クレジットとは?

日本国内の代表的なカーボンクレジットとして、政府主導の「J-クレジット」があります。

J-クレジットとは、省エネルギー設備の導入や再生可能エネルギーの利用によって得られたCO2削減量や、適切な森林管理によるCO2吸収量などについて、所定の申請および審査を通過したものにつき、日本政府がカーボンクレジットとして認証するものです。 (※2008年に環境省が開始したJ-VER制度は2013年にJ-クレジットに発展的に統合されました)

💡
J-クレジットは、温対法や省エネ法の報告の際に適用することが可能です。

これらの法制度に基づく排出量の削減目標の達成をカーボンクレジットの調達の主な目的とする場合は、J-クレジットが有効な選択肢となります。これらの目的のためにJ-クレジットを利用する際の申請方法については、J-クレジット制度のホームページをご確認ください。

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e-dashではJ-クレジットの調達のご支援も可能です。ご希望の場合は、以下からお問い合わせください。 ✉️ お問い合わせフォーム
非化石証書とは?

非化石証書」とは、再生可能エネルギーなどの非化石電源の環境的な価値を証書にしたもので、日本卸電力取引所(JEPX)が管理をしています。

非化石証書には対象となる電源によって3つの種類があります:

  • FIT非化石証書(再エネ指定)
  • 太陽光、風力、小水力、バイオマス、地熱などのFIT電源で発電された際の環境価値

  • 非FIT非化石証書(再エネ指定)
  • 大型水力やFIT機関が終了した電源で発電された際の環境価値

  • 非FIT非化石証書(再エネ指定なし)
  • 原子力などで発電された際の環境価値

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非化石証書は、温対法の報告の際に適用することが可能です。
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e-dash Carbon Offsetで扱っているカーボンクレジット

ボランタリークレジット

e-dash Carbon Offsetで現在購入できるボランタリークレジットの認証基準は、以下の通りです(2022年7月時点)。

  • Verified Carbon Standard(VCS)
  • Gold Standard
  • American Carbon Registry(ACR)
  • Climate Action Reserve(CAR)
  • California Air Resources Board(CARB)
  • Puro

それぞれの説明については、「💡ボランタリークレジットの認証基準」をご覧ください。

なお、e-dash Carbon Offsetで取り扱う認証基準の種類は変更になる可能性があります。また、それぞれの認証基準に属する個別プロジェクトすべてを取り扱っているわけではありません。

その他カーボンクレジット/証書

現在e-dash Carbon Offsetで直接購入いただけるものはボランタリークレジットのみとなっています。

以下をご希望の場合は、✉️ お問い合わせフォーム からお問い合わせください。

  • J-クレジット
  • 非化石証書